初代の魂が帰ってきた、アディダスの名作ゴルフシューズ20周年

ゴルフシューズの世界にも、時代を画した名作というものがある。アディダスの「TOUR360」は、まさにそんな一足だった。2005年に初代が登場してから20年。この節目に、アディダス ジャパン株式会社（本社：東京都港区、代表取締役：萩尾孝平）が、初代の姿を現代の技術で蘇らせた特別なモデル「TOUR360 20th Anniversary」を11月7日に数量限定で発売する。

発売されるのは、アディダス公式オンラインストア、アディダス公式アプリ、そしてアディダス ブランドコアストア銀座。限定モデルということもあって、20年前に初代を履いていた世代には、ちょっとした同窓会気分を味わえる商品かもしれない。懐かしいフォルムに最新スペックが詰まっている。そういうプロダクトにはどこか心が動かされる。

100人以上のプロが優勝を飾った実績

TOUR360というシューズは、単なるロングセラーではない。2005年の登場以来、レベルを問わず世界中のゴルファーに愛され続け、100人以上の男女プロゴルファーがこのシューズを履いて優勝を飾ってきた。数字だけ見ても、その信頼度の高さが伝わってくる。

今シーズンを振り返ってもその勢いは衰えていない。PGAツアーがアジアで唯一開催する公式大会では、ザンダー・シャウフェレがTOUR360を着用して優勝。同じ週には欧州女子ツアーと欧州男子ツアーでもTOUR360着用選手がツアー優勝を果たしている。世界中のトップアスリートから信頼されるシューズと言っても過言ではないだろう。

アディダスにとってTOUR360は、パフォーマンスとイノベーションに特化した象徴的なゴルフシューズである。これまで10以上のモデルを展開しながら、革新とパフォーマンスの限界に挑み続けてきた。その歴史が20年という節目を迎えたのだから特別なモデルを作らないわけにはいかない。

懐かしさと新しさが共存するデザイン

TOUR360 20th Anniversaryは、初代の姿を忠実に再現することから始まっている。アッパーには天然皮革と合成皮革を採用し、2005年当時のシルエットを蘇らせた。ただし、中身は完全に現代仕様である。

ミッドソールには、2024年に発売した「TOUR360 24」と同じく、クッショニング素材のBOOSTとLIGHTSTRIKE（ライトストライク）を組み合わせて搭載している。地面を力強く蹴るスイングに対応しつつ、軽量で長距離を歩くゴルフを快適に楽しめる設計だ。ゴルフは意外と歩くスポーツである。18ホール回れば、かなりの距離になる。その点を考えると、この軽量化は実に理にかなっている。

アウトソールには、スイング時のグリップ力を強化するため、THINTECH（シンテック）トラクション構成のスパイクを7つ搭載。滑らない、踏ん張れる。これがゴルフシューズの基本性能だが、20年前と比べて技術は格段に進化している。

重量は25.5cmの片足で455g。サイズ展開は24.5cmから31.5cmまでと幅広く、ラストはツアーパフォーマンスラスト（EE相当）を採用している。

細部に宿る20周年の思い

このアニバーサリーモデルには、特別なディテールがいくつも施されている。タンの裏には「est. 2005」の刻印。トップアイレットには「20」の数字を施したメタルパーツ。かかとには初代モデルを彷彿とさせるシルバーロゴ。そして、歴代のTOUR360モデルをたたえる特別仕様のシューズボックスに収められている。

こういう細かな演出、ファンには嬉しいものである。わかる人にはわかる、という世界。20年前に初代TOUR360を履いていた人が、このディテールを見たらきっとニヤリとするだろう。

アディダスゴルフのフットウェア・ディレクター、メイスン・デニソン氏はこう述べている。「20年前、TOUR360は大胆でアスレチックな高性能プロダクトとして登場し、従来の常識に挑戦しました。その後、10以上のモデルを展開しながら、革新とパフォーマンスの限界に挑み続け、TOUR360はアディダスゴルフのアイコンとなりました。今回のモデルは、すべての始まりとなった初代へのオマージュです。当時その先進性を体感いただいた方々に、懐かしさを感じていただけるのではないかと思っています。」

20年という時間が持つ意味

2005年から2025年。20年という時間は、振り返ってみると案外長い。ゴルフの世界でも、この間に多くのスター選手が現れては消えていった。技術も進化し、クラブもボールも変わった。けれど、TOUR360というシューズは、その20年をずっと第一線で走り続けてきた。

それは単に長く売れ続けたということではなく、常に進化を続けてきたからこそ可能だったことである。初代の成功に甘んじることなく、モデルチェンジを重ね、時代のニーズに応えてきた。その姿勢が、プロからアマチュアまで幅広い層に支持される理由なのだろう。

今回のアニバーサリーモデルは、そんな20年の歴史に対する敬意でもある。初代の魂を受け継ぎながら、最新技術を惜しみなく投入する。懐古趣味に走るのでもなく、ただ新しいものを作るのでもなく、過去と現在をつなぐ一足。これが、アニバーサリーモデルのあるべき姿なのかもしれない。