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ラジオが誕生して100年になるという。僕なんか昭和生まれだから、ラジオといえば深夜放送とか、オールナイトニッポンとか、そういう記憶が真っ先によみがえってくるのだけれど、近年またラジオが見直されているらしい。スマホで radiko を聴くのが当たり前になって、むしろネット時代だからこそ、ラジオの親密さや双方向性が新鮮に感じられるのかもしれない。
そんなラジオを、自衛隊も広報ツールとして活用している。知らなかった人も多いんじゃないだろうか。自衛隊のラジオ番組が日本各地でオンエアされていて、自衛官や事務官が出演して自衛隊の魅力を語っているのである。中には自衛官がディスク・ジョッキーを務める番組まであるというから、これはちょっと聴いてみたい気もする。

防衛省が編集協力する自衛隊オフィシャルマガジン『MAMOR』(マモル)の2025年12月号は、まさにその「自衛隊ラジオ」を特集している。扶桑社から10月21日に発売されたこの号、定価780円で、災害や有事の際に私たちを守るメディアとしてのラジオの役割にも注目しているわけだ。

今号でもうひとつ目を引くのが、海上自衛隊の護衛艦『もがみ』に搭載された無人機雷排除システムのリポートである。
2025年6月15日と16日の両日、海上自衛隊は硫黄島周辺で無人機雷排除システムの運用試験を実施した。護衛艦『もがみ』に装備された無人機雷排除艇、いわば”水上ドローン”が機雷のある海域まで自力で航行し、自走式機雷処分用弾薬を投下する。そして『もがみ』からの遠隔操作によって、見事に機雷を爆破させたのだという。

護衛艦の指揮所から、遠方の機雷処分用水上無人機を遠隔操縦しての機雷処分に成功したのは、世界で初めてのことだそうだ。機雷というのは海中に潜む厄介な存在で、その処理には常に危険が伴う。それを人間が乗り込まず、遠隔操作でやってのけたというのは、確かに大きな前進だろう。
記事では、この訓練の様子を詳しくリポートしている。技術の進歩というのは、こういう形で現場に活かされていくものなのだ。
今月の表紙とグラビアを飾るのは、下井谷幸穂さん。撮影に協力したのは、東京都の市ヶ谷駐屯地にある陸上自衛隊システム通信団である。防人たちの女神というシリーズで、毎号さまざまな女性が登場するのも『MAMOR』の特徴のひとつだ。

それから、志田音々さんが防衛省・自衛隊の識者にあれこれ質問する「ねぇねぇ防衛のこと、もっと教えて!」というコーナーもある。今回のテーマは「護衛艦の勤務環境が改善されたって本当?」で、植田3等海尉が答えている。読者から寄せられた疑問に答えるというスタイルは、親しみやすくていい。

収集漫画家のやすこーんさんが自衛隊に潜入して、自分が率いるチームのすばらしさを自慢する隊長を捜す企画もユニークだ。その自慢ポイントをカードにして収集するという趣向で、「激レアな自慢隊長を捜せ!」というタイトルからして楽しそうである。チームワークの良さは日本のお家芸、と書いてあって、確かにそうだよなと思う。
全国自衛隊の隊員食堂を紹介するコーナーでは、今月は広島県呉基地を母港とする海上自衛隊の輸送艦『しもきた』から「広島お好み焼き」が登場する。焼きそばも楽しめる、1枚で2度おいしい大満足の艦めしだそうで、レシピも掲載されている。艦の上でお好み焼きを作るというのも面白い。

それから「あなたも筋肉チャレンジ」という企画は、自衛官の「キツイッ!」マッスルボディーメーク術を紹介するもの。「そんなに甘くはありませんっ! はっきり言ってキツイです。苦しいです」と正直に書いてあるのがいい。でも、その分マッスル度が上がると信じて、さあチャレンジ、というわけである。

『MAMOR』は「日本の防衛のこと、もっと知りたい!」というキャッチコピーのもと、自衛隊ファンに限らず、老若男女あらゆる世代の人に気軽に国防を学び、楽しんでもらえる媒体を目指しているという。
確かに、自衛隊というと何となく堅苦しいイメージがあるけれど、こういう雑誌を通じて、その日常や活動を知ることができるのは面白い。ラジオの特集にしても、機雷排除の最新技術にしても、あるいは艦めしのレシピにしても、どれも「へえ、そうなんだ」という発見がある。
Amazonや楽天ブックスでも購入できるし、全国の書店でも販売されている。地域によって販売日は多少異なるようだが、定価780円で、防衛省が編集協力するオフィシャルマガジンの最新号を手に取ることができる。
ラジオが100年を迎え、新しい時代にも生き続けているように、自衛隊も時代とともに変化し、進化している。そんなことを感じさせてくれる一冊だ。たまにはこういう雑誌をパラパラとめくってみるのも、悪くないかもしれない。
【今月の表紙‧グラビア撮影の協力・市ヶ谷駐屯地(東京都)の陸上自衛隊システム通信団】
『MAMOR 2025年12月号 vol.226』
定価:780円(本体709円)
発売日:2025年10月21日(火)
※地域によって販売日はことなります。
Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/B0FSD67NLD
MAMOR-WEB:雑誌『MAMOR(マモル)』のWebメディアはこちら↓
https://mamor-web.jp
男の感性に火をつける、ライフスタイルWEBマガジン「GENTS-ジェンツ-」運営。
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