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「0円の土地」というやつを見かけた。いや、これが実話なのである。茨城県鉾田市の土地が無償譲渡されているというのだ。
場所は大洗鹿島線の大洋駅から徒歩約15分。くぬぎの森スポーツ公園からほど近い、鉾田市阿玉五百山1204番20という番地だ。土地の広さは183.98平方メートル、坪数にすると約55.65坪。まあまあの広さである。
もともと別荘用地として購入したらしいのだが、その後も建物を建てることなく、ずっと更地のままだったという。所有者が手放すことにしたわけだ。
面白いのは、敷地内に電柱が立っているという点である。電柱使用料というのがあって、直近では令和6年10月1日から令和9年9月30日までの3年分として9,897円の入金があったそうだ。年間にすると3,000円ちょっと。大した額ではないが、放っておいても入ってくるお金というのは悪くない。
固定資産税評価額は17,101円で、固定資産税額はなんと0円である。つまり、持っていても税金はかからないということだ。まあ、固定資産税が0円になるような評価額というのは、それだけ「価値が低い」と見なされているわけだが。
この土地の最大の魅力は、海が近いことだろう。車で10分ほどの距離に武与釜海岸がある。ここはサーフィンスポットや釣り場として知られている場所だ。
鉾田市といえば、水資源に恵まれた土地で、温暖な気候と肥沃な台地が融合して、全国屈指の野菜の生産地となっている。メロンの名産地としても有名だ。
そして、これが重要なのだが、2026年度中に東関東自動車道が鉾田-潮来間で開通する予定なのである。つまり、これから交通の便がぐっと良くなる。今はちょっと不便な場所でも、高速道路が開通すれば話は変わってくる。
もちろん、タダには理由がある。いくつか注意点を挙げておこう。
まず、物件代金は0円でも、取得には登記費用や税金などがかかる。登記手数料などは譲受人の負担ということになっている。だから、実際には「完全にタダ」というわけではない。
それから、現地の案内はしてもらえない。自分で確認しに行く必要がある。さらに、この土地以外に共有の土地(公衆用道路)もあるという。都市計画や用途地域の指定はなく、建ぺい率や容積率も定められていない。設備や仕様についても調査中となっている。
建物を建てたい場合は、必ず管轄官庁で調べる必要がある。これは鉄則だ。
不動産というのは、普通はお金を出して買うものだ。しかし、こうした「0円不動産」というのも存在する。地方には、持て余している土地がたくさんあるのだろう。
この鉾田の土地は、別荘用地として購入されたものの、結局使わずじまいだったという経緯がある。そういう土地は全国にゴロゴロしているはずだ。
高速道路の開通を見越して、今のうちに手に入れておくという考え方もある。週末に海に行くための拠点として使うのもいいだろう。武与釜海岸でサーフィンや釣りを楽しむ。そんな暮らし方も悪くない。
ただし、繰り返しになるが、完全にタダというわけではない。登記費用や税金は発生する。それでも、土地そのものが0円というのは魅力的である。
興味がある人は、まず現地を見に行ってみるといい。大洋駅から徒歩15分なら、歩いて行ける距離だ。くぬぎの森スポーツ公園のあたりをぶらぶら歩いて、雰囲気を確かめてみるのもいいだろう。土地との相性というのは、実際に足を運んでみないとわからないものである。
詳しい情報や問い合わせについては、こちらのサイトで確認できる。
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