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会議の議事録作成というのは、なかなかに骨の折れる作業なのである。録音を聞き返しながらキーボードを叩き、重要な発言を拾い上げ、整理して文書にまとめる。この地味だが必要不可欠な作業に、どれほど多くの時間が費やされてきたことだろう。
そんな状況に一石を投じる製品が、この10月14日に日本市場で発売される。PLAUD株式会社が発表した「Plaud Note Pro(プラウド ノート プロ)」である。
この製品、ただのボイスレコーダーではない。2025年9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2025で「Best in Accessibility Focused Product」最優秀賞を受賞した、いわば国際的なお墨付きを得た製品なのだ。1,800社以上が競うアワードプログラムでの受賞というから、その技術革新性と実用性は折り紙付きである。
注目すべきは、世界累計出荷台数が100万台を突破したPlaudシリーズの最新フラッグシップモデルだという点だ。すでに世界中で信頼を得ている製品群の最新作というわけで、これは期待が高まる。
Plaud Note Proの目玉機能は「ハイライト記録」である。会議中、「ああ、ここが重要だな」と思った瞬間にワンタッチでボタンを押すと、その箇所に目印がつく仕組みだ。AIが文脈を理解し、後から一発で該当箇所へジャンプできる。しかも、AI要約でも優先的に反映されるという。専門知識がなくても、ボタンを押すだけで重要ポイントを逃さず整理できるというのは、なかなか画期的なのである。
もうひとつの注目機能が「AI指向性収音技術」だ。4基のMEMSマイク(超小型の高性能マイク)を搭載し、AIが周囲の雑音を低減しながら、最大5メートル先の音声もクリアに捉える。人間の耳以上に賢く音を聞き分ける、というのがPLAUD株式会社の説明である。
この製品の開発背景が興味深い。PLAUD株式会社の代表取締役であるNathan Xu(ネイサン シュー)氏は、もともと投資家として活動していた。その中で、貴重な対話の場面でメモが取れないことに直面したのだという。
「魅力的なアイデアは日常の何気ない会話に含まれており、これらを記録し活用する需要がある」
この実体験から初代「Plaud Note」、ウェアラブル型「Plaud NotePin」を経て、今回の「Plaud Note Pro」が誕生したのである。実際の課題から生まれた製品というのは、やはり説得力がある。
今回のPlaud Note Proで大きく進化したのが、マルチモーダルAI対応だ。従来の音声入力に加え、画像入力、テキスト入力、そしてハイライト記録という4種類の情報すべてに対応している。
具体的には、会議で発言内容を録音しながら、スマートフォンでスライドやホワイトボードを撮影し、その場で思いついたアイデアを文字で入力し、重要な瞬間をワンタッチで記録する。AIがこれら4つを統合的に理解し、「どの資料について・誰が・何を発言し・何が重要だったか」という文脈まで正確に把握するのだという。
さらに驚くのが、3,000種類以上の業界別要約テンプレートを搭載している点だ。医療(SOAP形式)、コンサル、授業など、業界や目的に応じた形式で議事録を生成できる。
「多次元要約」という機能では、同じ録音データから参加者の役割に応じて異なる形式の要約を生成する。経営層には決定事項のみ、実務担当には詳細な議論内容、営業には顧客要望に特化した要約を提供するという具合だ。全員が「自分に必要な情報だけ」を受け取れる環境を実現するというのは、実に合理的である。
デザインも考え抜かれている。波状テクスチャ加工のアルミニウムボディは、クレジットカードサイズ(85.6×54.1×2.99ミリメートル)で、重さはわずか30グラム。携帯性と上質な手触りを両立している。
0.95インチのAMOLEDディスプレイには、Corning Gorilla Glassを採用。600ニトの高輝度で、直射日光下でも視認性を確保しているという。細部まで気を配った設計なのである。
興味深いのが、振動接触センサー(VCS)を内蔵している点だ。本機をMagSafe対応ケースに入れてスマートフォンの背面に装着すると、通話時の音声振動を直接キャッチして録音できる。しかも対面会話と電話通話を自動判別し、自分で操作することなくシームレスに録音モードを切り替える。
音声強化モードでは最大30時間録音(最適収音範囲5メートル)、長時間駆動モードでは最大50時間録音(最適収音範囲3メートル)が可能だという。これなら丸一日の会議でも余裕である。
10月9日より、iOS/Android対応の「Plaud App 3.0」アップデート版の提供が開始される。デザインを刷新した新UIで、録音から実用的なアウトプットまでをスムーズに連携する。既存製品でも使用可能というから、すでにPlaud製品を使っているユーザーにとっても朗報だ。
「Ask Plaud」という機能では、ノートの記録から検索して情報を引き出せる。質問に即答し、タスク処理もスマートに処理してくれるという。要約の内容から意図を汲み取り、より深い理解へ繋がる質問を提案する。回答は音声ソースに基づき、その音源まで遡って確認できる。ワンタップで保存でき、後から見返すこともできる。
気になる価格は、メーカー希望小売価格30,800円(税込)。カラーはブラックとシルバーの2色展開だ。
公式オンラインショップ(公式サイト、Amazon公式ストア、楽天市場公式ストア)のほか、エディオン、ビックカメラ、ヤマダデンキ、ヨドバシカメラといった全国の主要家電量販店でも取り扱う予定だという。ただし各店舗で取り扱い状況が異なるので確認が必要だ。
PLAUD株式会社は、10月14日から17日まで幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2025」にも出展する。会場はAXパーク ホール5のブース番号5H203。Plaud Note Proの実機デモンストレーションと、Plaud App 3.0の体験コーナーが設けられる。
10月14日14時からは、PLAUD株式会社セールスディレクターの鈴木直幸氏によるセミナー「AIで議事録が変わる-Plaud AIで始める業務効率化」も開催される予定だ。会議記録作成の時間・人的コスト課題に対し、録音から要約・共有までを一括処理するPlaud AIの具体的活用法と導入効果が紹介されるという。
PLAUD株式会社によれば、日本市場は2025年5月時点でPlaud製品にとって世界第2位の市場となっている。現在、全国300カ所以上の販売店で展開し、個人から企業まで幅広く利用されているという。
親会社のPlaud Inc.は、2021年11月12日に米国サンフランシスコで設立された。最先端のAI研究人材が集積する地で、ハードウェアとソフトウェアを融合させた革新的な議事録ソリューションを展開している。SOC 2 Type II、HIPAA、GDPR、およびEN18031の完全準拠により、最高水準のデータセキュリティとプライバシー保護を実現。医療・法律・金融など100万人以上のプロフェッショナルユーザーから信頼を獲得しているという。
Nathan Xu代表取締役は、日本市場について次のようにコメントしている。
「日本市場では、働き方改革の実現に向けて議事録作成時間の大幅削減による残業時間短縮と、会議参加者が会話に100%集中できる環境づくりで創造的業務への時間確保を支援いたします。限られた人材でも高効率業務を実現し、日本の国際競争力強化に貢献するソリューションとして、真の生産性向上をお手伝いいたします」
会議の記録という地味だが重要な作業を、AIの力で革新する。Plaud Note Proは、そんな次世代の働き方を提案する製品なのである。
男の感性に火をつける、ライフスタイルWEBマガジン「GENTS-ジェンツ-」運営。
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