記事を探す
運営・お問い合わせ

「管理職になりたくない」
若手や中堅社員からこんな声が聞かれる時代になった。価値観は多様化し、人は足りず、組織はフラットになる。上に立つ人間の負担は増すばかりで、「大変な役回り」どころか「罰ゲーム」とまで言われる始末だ。
部下との向き合い方に悩むマネジャーは多い。何か問題が起きれば原因を突き止めようとし、追及を重ねる。それが正しいやり方だと信じて疑わない。けれども、ときにその姿勢が部下を追い詰め、萎縮させる「破壊的な会話」になっているとしたら。
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンが2026年1月25日に刊行した『チームは未来志向の対話でうまくいく』は、そんな職場のコミュニケーションに新しい視点を持ち込む一冊だ。原著はジャッキー・スタブロス、シェリ・トレスの共著で、佐々木寛子が翻訳を手がけた。
本書が提案するのは、過去の失敗や欠点を探す代わりに、「未来」と「強み」に焦点を当てる対話のスタイルである。ベースになっているのは「アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)」という、35年以上の研究に裏打ちされたメソッドだ。
何が間違っていたのかを問い続けるのではなく、何がうまくいったのか、どんな可能性があるのかを引き出す。そのために必要なのが「生成的な質問」と「ポジティブなフレーミング」という2つの実践法である。問いかけ方を変えれば思考が変わり、行動が変わり、組織全体が今日から動き出す。

シンプルだが、その効果は軽視できない。Googleやアクセンチュア、さらには米海軍といった組織がこのメソッドを導入しており、ポジティブ心理学や脳科学の分野でも実証されている。
このメソッドの強みは、スケールの幅広さにある。上司と部下の1対1の面談でも使えるし、チーム単位の会議でも機能する。さらに言えば、4500人規模の組織変革にも対応できる柔軟性を持っている。

会議で誰も発言しない。部下の本音が聞けない。職場の空気がどんより重い。リーダーシップを高めたいけれど、どこから手をつければいいのか分からない。本書はそんな悩みを抱える管理職にとって、実践的な手引きとなるはずだ。
著者のジャッキー・スタブロスは、ローレンス工科大学の教授として、リーダーシップや組織開発の分野で30年以上の経験を持つ。もう一人の著者シェリ・トレスは、教育心理学の博士号を持ち、脳神経科学やポジティブ心理学を土台にしたアプローチを開発してきた人物だ。2人が積み上げてきた知見が、この一冊には凝縮されている。
本書の目次を見ると、全8章にわたって対話の実践法が展開されている。会話をシフトする方法から始まり、会話のタイプや会話を動かす原理を学び、最終的には組織レベルでの実践へと進んでいく。巻末には「価値ある会話」実践ガイドも付いており、すぐに現場で試せる内容になっている。

タイトルにもあるとおり、本書が目指すのは「魔法じゃなくて、科学」だ。再現性のある方法論として提示されているからこそ、誰でも、どこでも、どんな状況でも活用できる。
単行本はソフトカバーで336ページ。ISBN は978-4799332443。紙書籍はAmazonや楽天ブックスで、電子書籍はKindleで購入できる。なお、オンライン書店では1月23日に先行発売されている。
管理職が「罰ゲーム」のように扱われる現状は、決して健全ではない。けれども、コミュニケーションの取り方一つで、その状況は変えられるかもしれない。
本書が示すのは、部下を責めるのではなく、可能性を引き出す対話の形だ。未来に目を向け、強みに光を当てる。それだけで、チームの雰囲気は確実に変わる。停滞していた会議が動き出し、本音が飛び交うようになり、職場全体に前向きな空気が流れ始める。
Google も導入した対話メソッドは、決して特別なものではない。誰にでも実践できる、科学に基づいた方法論である。職場のコミュニケーションに悩むすべてのマネジャーにとって、この一冊は心強い味方になるだろう。

タイトル:『チームは未来志向の対話でうまくいく』
発売日:2026年1月25日(1月23日オンライン書店先行発売)
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
仕様:単行本(ソフトカバー)/336ページ
ISBN:978-4799332443
男の感性に火をつける、ライフスタイルWEBマガジン「GENTS-ジェンツ-」運営。
40代を中心とした大人世代に向けて、茨城県南エリアの情報を本当に良いと感じたものだけを厳選して紹介しています。