大曲の花火

おおまがりのはなび

全国花火競技大会、通称「大曲の花火」は、秋田県大仙市(旧大曲市)の雄物川河川敷で毎年8月最終土曜日に開催される、日本で最も権威と歴史を持つ花火競技大会です。

この大会は、茨城県の「土浦全国花火競技大会」、新潟県の「長岡まつり大花火大会」とともに「日本三大花火大会」、そして花火師が技術を競う「日本三大競技花火大会」の一つに数えられています。

大曲の花火の花火風景

歴史と概要

大曲の花火は、1910年(明治43年)に地元の諏訪神社の祭典の余興として「奥羽六県煙火共進会」として始まった、100年以上の歴史を誇る大会です。

その最大の特色は、全国から選抜された一流の花火師たちが、最高賞である内閣総理大臣賞を目指し、その技術と芸術性を厳しく競い合う点にあります。この大会で優秀な成績を収めることは、花火師にとって最高の栄誉とされています。

開催場所は秋田県大仙市の雄物川河川敷運動公園で、毎年数十万人もの観客が訪れ、その職人技の競演を見守ります。

競技部門と見どころ

1. 昼花火の部

  • 昼花火の競技は、全国でも大曲の花火だけで行われる、雅趣に富んだ珍しい競技です。
  • 夜の光の代わりに、赤、黄、青、緑といった色煙を駆使して、空中に模様や色彩を描き出します。煙竜(煙物)や割物などの種類があり、その模様の多様性や色彩の鮮明さが評価されます。

2. 夜花火の部

夜花火の部は、さらに三つの部門に分かれています。

  • 10号玉 芯入割物の部
    • 日本の伝統的な花火である「割物」の最高峰が競われます。同心円状に真円を描く「菊型花火」であり、特に四重、五重といった多層の円を正確に開かせることが、高度な技術の証明となります。真に丸く、完璧な調和美を描くことが求められます。
  • 10号玉 自由玉の部
    • 芯入割物以外の花火で、花火師の意図や創造性が光る部門です。星がゆっくりと垂れ下がる冠菊や、いくつもの花が咲く千輪など、多様な技術が用いられます。
  • 創造花火の部
    • この創造花火は、1964年(昭和39年)に大曲の花火が全国で初めて取り入れた部門であり、その発祥の地とされています。
    • 打ち上げ花火にテーマを設け、従来の丸型という概念を破り、色彩、リズム、立体感、構成といった芸術的な要素を追求した作品が評価されます。花火師の創造性や独自性が最も問われる部門です。

この三つの夜花火と昼花火を総合的に審査し、その年の最も優れた花火師に、内閣総理大臣賞が授与されます。

また、競技の合間には、大会スポンサーによる豪華絢爛なワイドスターマインや、大曲の夜空を彩る大規模な大会提供花火が打ち上げられ、観客を魅了します。

動画

外部リンク

この記事の著者

男の感性に火をつける、ライフスタイルWEBマガジン「GENTS-ジェンツ-」運営。
40代を中心とした大人世代に向けて、茨城県南エリアの情報を本当に良いと感じたものだけを厳選して紹介しています。

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