さん・あぴお

さん・あぴお

新治ショッピングセンター さん・あぴお(にいはりショッピングセンター さん・あぴお)は、茨城県土浦市大畑にあるショッピングセンターです。1993年の開業以来、土浦市北部地域を代表する郊外型商業施設として地域住民に親しまれてきましたが、2022年に運営母体が破産し、現在は一部店舗のみが営業を継続しています。

概要

新治ショッピングセンター さん・あぴおは、茨城県土浦市大畑1611に位置する地域密着型のショッピングセンターです。常磐自動車道・土浦北インターチェンジの近くに立地し、店舗面積は約1.1万平方メートル(2階建て)、駐車場は屋上・平面合わせて約1,500台を収容できる中規模商業施設です。

地元では単に「さん・あぴお」と呼ばれ、旧新治村(2006年に土浦市へ編入)時代から土浦市北部地域における主要な買い物拠点として機能してきました。開業当初は長崎屋を核店舗とし、現在は食品スーパーのエコス新治SC店を中心に、ドラッグストアや100円ショップなどが営業しています。

歴史

開業から最盛期まで

新治ショッピングセンター さん・あぴおは、旧新治村による地元商業活性化の取り組みとして企画されました。地域の中小商店が結集した新治商業協同組合によって建設・運営され、1993年4月に長崎屋新治店を核店舗として開業しました。

開業時には協同組合加盟の専門店が28店舗出店し、地元の新たな商業拠点として賑わいを見せました。日常生活必需品から衣料・雑貨まで一か所で購入できる環境が整い、周辺農村地域からも多くの買い物客を集めました。

核店舗の交代

競合環境の変化や施設の老朽化とともに集客力は次第に低下していきました。核店舗だった長崎屋は経営破綻の影響で2002年2月に閉店しました。

核店舗不在の期間を経て、2003年12月に東京を本拠とするスーパー「エコス」が長崎屋所有部分を買い取り、新たな核店舗「エコス新治SC店」として食品売場を中心に営業を開始しました。

衰退と破産

開業以来大規模な改装は行われず、平成期の雰囲気を色濃く残す館内は「平成レトロ」として一部で話題になりました。しかし、空き店舗の増加や設備の老朽化が目立つようになります。専門店街の組合加盟店も最盛期から減少を続け、2022年時点で組合員は6事業者7店舗まで減少していました。

施設の経営環境が悪化する中、2022年11月、新治ショッピングセンター「さん・あぴお」を運営する新治商業協同組合と関連会社の新治商業開発が水戸地方裁判所土浦支部に自己破産を申請しました。同月17日付で破産手続開始決定を受け、負債総額は約6~7億円と見込まれました。

これに伴い、協同組合が所有・運営していた専門店区画は2022年11月20日までにほぼすべて閉鎖されました。長年テナントとして営業していたマクドナルド新治さん・あぴお店も同年11月30日をもって閉店しています。

現在の状況

建物の残り半分を区分所有する核店舗のエコスをはじめ、協同組合以外の事業者が運営する一部店舗は破産後も営業を継続しています。エコス新治店、ドラッグストアのウエルシア、100円ショップのダイソー、洋服お直し店の銀の糸などが引き続き営業を行っています。

こうしてさん・あぴおは「施設の半分は営業継続、半分は休館状態」という特殊な形態で存続することになりました。

施設とテナント

建物構造

さん・あぴおの店舗構造は地上2階建てで、開業以来大幅なレイアウト変更はありません。建物中央にはイベントも開催可能なセンターコート(吹き抜け空間)があり、各階に専門店街の通路が配置されています。建物外周には広大な平面駐車場と屋上駐車場を有し、駐車台数は約1,500台と自家用車での来店に対応した造りになっています。

主なテナント

現在営業中の店舗

  • エコス新治SC店(1階) – 生鮮食品や日用品を扱うスーパーマーケット
  • ウエルシア – ドラッグストア
  • ダイソー – 100円ショップ
  • 銀の糸 – 洋服お直し店

閉店した主なテナント

  • マクドナルド新治さん・あぴお店 – 昭和レトロな片仮名看板を掲げた店舗として人気でしたが、2022年11月30日に閉店

専門店街にはかつて衣料品や雑貨、飲食店、ゲームコーナー、フィットネスジムなどが入居していましたが、多くは2022年までに撤退または閉店しています。

交通アクセス

自動車

常磐自動車道・土浦北インターチェンジから県道経由で数分の位置にあり、つくば市や石岡市方面からも比較的アクセスしやすい立地です。駐車場は約1,500台収容可能です。

公共交通機関

JR常磐線土浦駅西口より関東鉄道バス(土浦駅~さん・あぴお~高岡線)が運行されており、「さん・あぴお」バス停で下車すると徒歩すぐです。土浦駅からは約10kmの郊外エリアに位置するため、地域住民は自家用車やバスを利用して来店することが多くなっています。

地域での役割

商業拠点としての機能

新治ショッピングセンター さん・あぴおは、旧新治村地区における中核商業拠点として約30年間にわたり地域住民の消費活動を支えてきました。特に新治村が土浦市へ編入された後も、土浦市北部・新治地区の主要ショッピングモールとして地元住民に親しまれてきました。

しかし、施設の衰退が顕著になった近年は、土浦中心市街地やつくば市学園地区の大型商業施設へ消費行動が流出する傾向が強まっています。2022年の専門店街閉鎖後は、地域住民の生活利便性が低下し、買い物難民対策や商業環境の再構築が課題となっています。

イベント会場としての機能

さん・あぴおは単なる買い物の場に留まらず、地域コミュニティのイベント拠点としても重要な役割を果たしてきました。

主なイベント

  • 新治こまちまつり(毎年秋開催) – 旧新治村時代から続く地域のお祭りで、山車や餅まき、郷土芸能の披露、物産模擬店などが開催されます。広大な駐車場が祭りの会場として利用されています。
  • 土浦皐月まつり(毎年5月下旬開催) – サツキ盆栽の品評会・展示即売会がセンターコートおよび駐車場で開催されています。

施設全盛期には、地元企業による催事やヒーローショー、音楽コンサートなども館内ホールで開かれ、地域の交流空間として親しまれていました。

今後の展望

2022年末の専門店街閉鎖以降、さん・あぴおの将来については不透明な状況が続いています。2025年現在、施設全体の再生策や再開発計画は公に発表されていません。

現状では核店舗エコスを中心に営業が維持されている段階ですが、老朽化した建物の活用方法や、半休業状態となっている専門店街区画の処遇について、今後土浦市や関係者による検討が求められています。

地元住民からは「今後もさん・あぴおに買い物に行き続けたい」「昔のような賑わいを取り戻してほしい」といった声も聞かれます。地域コミュニティに根差したショッピングセンターとして培われてきた役割を踏まえ、その存続と再生に向けた動向が注目されています。

動画

田舎大家さんのチャンネル

外部リンク

この記事の著者

男の感性に火をつける、ライフスタイルWEBマガジン「GENTS-ジェンツ-」運営。
40代を中心とした大人世代に向けて、茨城県南エリアの情報を本当に良いと感じたものだけを厳選して紹介しています。

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