ホームページを作っても続かない“やりっぱなし”の本当の理由

ホームページを作ったまま放置していませんか？

SNSも始めたけれど更新が止まっている。
多くの地域企業が抱えるこの悩み、実は「やる気」の問題ではありません。

作っただけで終わっている会社が多い理由

「ホームページはあるけど、何年も更新していない」「SNSを始めたけど続かなかった」

こうした声をよく耳にします。最初は意気込んで始めたのに、気づけば更新が止まってしまう。

なぜでしょうか。

理由は、「何のために」「誰に」伝えるかを決めずに始めてしまうからです。目的が曖昧なまま作業に入ってしまうと、続けることが難しくなります。

ホームページは「使い続ける」ことに価値がある

多くの企業は「とりあえず会社の顔を整えよう」と考えてホームページを作ります。

確かに第一印象は大事です。しかし、そこから何を発信し、どうお客様とつながるかがもっと重要です。

立派なデザイン、完璧な会社案内。でも半年後にはアクセスが減り、社員すら見に行かない。こんなホームページが数多く存在します。

問題は作ることをゴールにしている点です。ホームページは会社紹介の看板ではなく、お客様と継続的に接点を持つ場所です。作って終わりではなく、使いながら育てるものです。

ウェブは一方的な発表の場ではない

「誰に」「どんな言葉で」「何を伝えるか」を決めないまま始めても、声は届きません。

お客様にとって大切なのは、その投稿やホームページが自分に向けて話しかけているかどうかです。だから「伝える」ではなく「話しかける」姿勢が必要です。

事例：「売る情報」から「役立つ情報」に変えた花屋さん

ある生花店では、新商品の入荷情報ばかり投稿していました。反応がまったく伸びず、発信が負担になっていました。

そこで内容を変えました。毎週一回、「今週の花の飾り方」や「花を長持ちさせるコツ」を紹介するようにしたところ、コメントが増え、常連さんから「次も楽しみにしています」と言われるようになりました。

「売りたい情報」から「役立つ情報」に変えたことで、投稿が「義務」から「習慣」に変わったのです。

やってはいけないこと：「情報発信=宣伝」と思うこと

多くの企業がつまずくのはここです。「新商品のお知らせ」「キャンペーン開催中！」ばかりを続けてしまう。

宣伝は悪いことではありません。でも、それしかないと「この会社は売りたいだけだな」と感じられてしまいます。

人は売り込まれるより、理解されたいと願っています。発信とは相手に知ってもらう前に、共感してもらうことです。

例えば、パン屋さんなら：

• ×「新作パン発売」
• ○「今日の朝は、焼きたての香りが店中に広がっています。朝ごはんがまだの方、いかがですか？」

後者のほうが、心を動かします。

「誰と話したいか」を決める

情報発信が続かない会社ほど、「誰に話しかけたいのか」が曖昧です。

多くの人に届かなくてもいい。大切なのは「話しかけたい人」を決めることです。

例えば：

• 家族でゆっくり過ごしたい人
• DIYが好きな人
• 地元の自然を楽しむ人

具体的に思い浮かべるだけで、言葉は変わります。

「とりあえず更新」が最も危険

「動かしておかないと悪いから」と、意味のない記事を投稿してしまう。「今日は雨ですね」「スタッフ一同頑張っています！」

こうした投稿は続けている気分にはなりますが、お客様の関心は動きません。

大事なのは、更新の「数」ではなく「質」です。「この発信は、誰の役に立つだろう？」この問いを一度でも挟むだけで、投稿の中身は変わります。

ホームページは「会話の入り口」

ホームページやSNSが続かないのは、意欲が足りないからではありません。「何のために発信するのか」を定義しないまま始めているからです。

ホームページは、お客様と会話を始めるための入り口です。その視点を持てば、発信は労働から楽しみに変わります。

今日、自社のホームページを開いてみてください。
最後に更新した日付はいつですか？そこに、お客様との関係の現在地が映っています。