つくば霞ヶ浦りんりんロード

つくばかすみがうらりんりんろーど

つくば霞ヶ浦りんりんロードは、旧筑波鉄道の廃線敷と霞ヶ浦を周回する湖岸道路を合わせた全長約180kmのサイクリングコースである。茨城県南部に位置し、2019年11月、「ビワイチ(琵琶湖一周)」「しまなみ海道サイクリングロード」とともに、第1次ナショナルサイクルルートに指定された。

概要

「つくばりんりんロード(40km)」と「霞ヶ浦湖岸道路(140km)」を結び、全長約180kmの長さを誇るサイクリングロードで、2016年11月25日に開通式が行われた。

水郷筑波国定公園に指定されている霞ヶ浦などの水郷地域や、筑波山地域などの豊かな自然や風景、鹿島神宮に代表される歴史的・文化的資産など様々な地域の魅力を楽しむことができる。

14市町村にまたがるフラットな平野を中心としたサイクリングロードであり、JR岩瀬駅からJR土浦駅、さらに霞ヶ浦西浦の湖岸全周と、その東端からJR潮来駅・水郷潮来バスターミナルまでを接続するサイクリングコースとなっている。

歴史

筑波鉄道の廃線

筑波鉄道筑波線は、1918年(大正7年)に開業し、JR常磐線の土浦から水戸線の岩瀬まで、筑波山地西麓の田園地帯に延びていた非電化、延長40.1kmの私鉄路線だった。最盛期となる1960年ごろには上野駅や日立駅から国鉄が筑波駅まで乗り入れるほど繁栄していたが、自家用車の普及とともに1987年(昭和62年)に廃線となった。

サイクリングロードへの転用

廃線後、用地は大半が自転車道に転用・整備され、現在「つくば霞ヶ浦りんりんロード」と呼ばれる広域自転車道の一部になっている。廃線跡は「つくばりんりんロード(40km)」として整備され、その後霞ヶ浦湖岸道路と接続された。

ナショナルサイクルルート指定

「ナショナルサイクルルート」とは、令和元年に制度化された、日本を代表し、世界に誇りうるサイクルルートとして一定の水準を満たすと国から指定されたサイクルルートである。

2019年11月7日、第1次ナショナルサイクルルートが発表され、つくば霞ヶ浦りんりんロードが指定された。同日の発表会で、大井川茨城県知事は「しまなみ海道、ビワイチと並んで第一次ナショナルサイクルルートの指定を受けたことは大変ありがたい」とコメントした。

コースの特徴

旧筑波鉄道コース

日本百名山のひとつにも数えられる筑波山を望む旧筑波鉄道廃線敷を活用したコース(約40km)は車が通らず、元駅舎を活用した休憩所が点在するなど初心者にも走りやすいコースとなっている。

全18駅のうち、虫掛駅、常陸藤沢駅、筑波駅、真壁駅、雨引駅、岩瀬駅の6つが休憩所として整備され今もその面影を残している。

霞ヶ浦一周コース

霞ヶ浦を周回する湖岸道路を利用したコースで、サイクリストの間で通称「カスイチ」と呼ばれている。平坦な湖岸を延々と走るため、ロングライドに適している。

その他のコース

沿線には筑波山ヒルクライムコース(約25km)もあり、多彩な楽しみ方ができる。

利用状況

2021年度の利用者数は110,000人と推計されており、2015年度から毎年度増加を続けている。

主要施設

りんりんスクエア土浦

「りんりんスクエア土浦」は、茨城県が事業主体となり、土浦市及びJR東日本と連携して整備した施設で、平成30年3月29日に開業した。所在地は茨城県土浦市有明町1-30「PLAYatre」1F/B1F。

サイクルショップ、レンタサイクル、情報発信・交流スペース、組み立て・メンテナンススペース、シャワー、ロッカー、更衣室などを完備している。館内にはサイクリングコンシェルジュが常駐し、サイクリングコースの案内や地域の観光スポットなどの情報を提供している。

地下1階〜地上1階で営業しており、サイクリスト向けのサービスを”ワンストップ”で提供できる機能を完備している。1階には北関東最大級のフロア面積を誇る自転車専門店「ル・サイク」が入っており、最先端のスポーツバイクを販売したり、修理サービスを提供している。

レンタサイクル

誰でも気軽にサイクリングが楽しめるように、広域型のレンタサイクルを実施しており、電車など、手ぶらで水郷筑波地域を訪れ、最寄りの施設で自転車を借り、借りた施設以外に返却することも可能である。

茨城県とつくば霞ヶ浦りんりんロード沿線9市町の連携により、本ロード沿線12ヵ所の施設からどこでも自転車の貸出・返却が可能となっている。

アクセス

首都圏からりんりんスクエア土浦へ行くには、常磐線特急が便利で、東京駅⇔土浦駅は常磐線特急で53分である。東京駅から電車で最短49分で来れる土浦市とされている。

今後の取り組み

ナショナルサイクルルートの指定により、初心者でも気軽にサイクリングを楽しめるように、ハード面では傷んだ路面のリニューアル、休憩所の改修、沿線上のビュースポットの整備や周辺観光施設への案内看板の設置を進めている。

ソフト面では、SNS等を駆使した情報発信の強化に取り組むほか、官民が一体となり、インバウンド誘客など新たな層に対する誘客促進に力を入れている。

外部リンク

この記事の著者

男の感性に火をつける、ライフスタイルWEBマガジン「GENTS-ジェンツ-」運営。
40代を中心とした大人世代に向けて、茨城県南エリアの情報を本当に良いと感じたものだけを厳選して紹介しています。

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