スーツに宿る侍の魂。WORLD ORDERが描く“NEO SAMURAI”の美学

スーツに宿る侍の魂。WORLD ORDERが描く“NEO SAMURAI”の美学

スーツに甲冑を重ね都市を舞台に静かに立つ。須藤元気率いるWORLD ORDERが帰ってきた。新曲『NEO SAMURAI』が描くのは、武士道を今に再解釈した“礼と誇りのシンクロ”。静寂のなかで何かが確かに動き始めている。

CREDIT:文/TAYAMA.M(GENTS)

剣を抜くかわりに、礼を纏う。

『NEO SAMURAI』で再び表舞台に立ったWORLD ORDERは、もはや“斬る”ことに価値を見出していない。彼らが放つのは鋭利な刃ではなく、完璧な構築と緊張感の中に宿る静かな決意。甲冑のディテールを忍ばせたスーツに身を包み、ロボットの精度で統制された動きの中に見えてくるのは、誇り、礼儀、そして武士道──過去から受け継いだ魂を未来へと進めるための美学だ。

沈黙の奥で、火は燃えている。

映像の中で彼らは甲冑とスーツを重ね合わせた装束で登場する。鋭くそして抑制のきいた動きは、まるで刀のように空気を切り裂く。ミリ単位でそろえられた所作、揺るがない視線、張り詰めた空気の中に観る者の内側を震わせる熱量が潜む。

それは主張ではなく思想。衝動ではなく哲学。静かに揃うその一歩一歩が「己を制す」ことの意味を問う。侍とは、もはや武器を持つ者ではない。秩序と内省をまといながら混沌の只中に立つ者の姿なのかもしれない。

『NEO SAMURAI』が示すのはそうした新たな強さのあり方。叫ばずとも届くものがある。導かずとも気づかせるものがある。そして、それを体現する男たちはもうそこに立っている。

WORLD ORDER

2009年に須藤元気が結成した、7人組のダンス&音楽ユニット。スーツに身を包んだ「日本人サラリーマン」然としたスタイルで、世界中の観客を魅了。ミリ単位で揃うロボットダンスと独特の映像美で知られ、アジアや欧米を中心に多くの熱狂的ファンを持ちます。代表曲『HAVE A NICE DAY』はYouTubeで5200万回再生を突破。さらに2012年には、「世界最多人数でのロボットダンス」でギネス記録を達成するなど、常に話題を集めてきました。

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