五感を預ける、京都。舞と美食に酔う贅沢な時間

五感を預ける、京都。舞と美食に酔う贅沢な時間

桜の名残と初夏の風が交わる頃、京都・先斗町でしか味わえない特別な体験がある。
伝統芸能「鴨川をどり」と、わずか8席の美食空間「Another C」。舞妓の所作に見惚れ、シェフ富永の一皿に心を預ける夜。これは観光でもグルメでもない。京都という街の“深い呼吸”に、静かに寄り添うための時間だ。

CREDIT:文/TAYAMA.M(GENTS)

花街文化の核心に、足を踏み入れる

▲ 写真提供:先斗町歌舞会

創演から150年以上、先斗町の「鴨川をどり」は春の京都を象徴してきた。舞妓の舞や三味線の音色が織りなすその舞台は、どこか別世界のようでどこか懐かしい空気をまとっている。

ただ眺めるだけでは終わらないのが、この特別プラン。開演前に用意されるのは、「Another C」シェフ・富永による“舞台の読み解き”。公演の背景や花街文化について、料理人ならではの感性で語られる解説が、舞台の見え方を一段深くしてくれる。観るだけではない。“知ってから観る”ことで、鴨川をどりは「体験」になる。


モダンジャパニーズの粋を、わずか8席で

舞台の余韻を抱いたまま、向かうのは徒歩3分の「Another C」。そこに広がるのは、わずか8席のカウンターだけの空間。木の温もりと照明の陰影が、まるで“特別な夜”の演出装置のように作用する。

出されるのは、京野菜、新鮮な海の幸、そして薩摩黒毛和牛を使ったおまかせコース。和の技法に、ニューヨーク仕込みの自由な発想を掛け合わせた一皿一皿が、「これが京都の今か」と思わせてくれる。喧騒を忘れ、ただ静かに、五感を料理に委ねる。その余白こそが、大人の贅沢だ。


舞妓が同席する“第二幕”の始まり

▲ 舞妓さんの舞を目の前で堪能
▲ 舞妓さんとのお座敷遊び体験

食事の後半、ふと空気が変わる。白足袋の足音とともに、舞妓が現れる。そこからはまた別の時間が始まる。

舞のひと振り、笑顔の余韻、お座敷遊びのちょっとした駆け引き。全てが、古都・京都が持つ“粋”の象徴であり、日常では味わえない距離感だ。通訳を介して交わす会話すら、この空間では妙に味わい深い。舞妓と料理人、文化と今。その交差点に立つことで、自分自身の感覚まで研ぎ澄まされていくのを感じる。


旅でもなく、接待でもなく、ただ“自分のため”に用意された時間があるとしたら。この体験は、まさにそれだ。
華やかな舞と、丹精込めた料理。一見かけ離れたものが、京都という舞台で静かにつながっていく。

この春、“何かを味わいたい”と思った男が取るべき選択肢。
答えは、先斗町のとある一夜にある。


会社概要

株式会社Another C

https://another-c.com/ja

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